食道がんの手術の方法は?入院期間や術後に注意すべきことは?
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年間約2万人が罹患し、約1万1000人が死亡する食道がん。
症状が非常に乏しいため、がんが進行した状態で発見されることが多いとされます。
ステージ0期で治療を開始することができれば、ほぼ100%完治させることができると言われていますが、その段階での治療開始は難しいのが実情です。
治療の中心は手術。
どのような方法で行われるのでしょうか?
がんができた部位によって右開胸と左開胸がある
食道は、咽頭と胃をつなぐ臓器です。
頸部、胸部、腹部にわたっています。
そのうちのどこにがんができたかによって、選択される手術の術式は異なります。
術式は、胸を開く時に、右側と左側のどちらから開けるかによって、大きく2つに分けることができます。
食道の下部にがんができた時は、食道の下部と胃の噴門部を切除するため、左側の開胸による手術が行なわれます。
胸の中にある食道にがんができた時は、右側の胸を開きます。
多いのは、右開胸です。
右開胸の標準的な術式は、食道を切除した後に、胃を頸部まで引き上げて食物の通り道を再建するものです。
胃を用いるのは、吻合箇所が1箇所で済むためです。
胃が使えない時には、大腸や小腸を使います。
胃や大腸、小腸を引き上げる経路によって、3通りの方法があります。
前胸部の皮膚の下を通す方法、胸骨の下で心臓の前を通す方法、もとの食道のあった心臓の後ろを通す方法です。
病態によって選択されます。
創は3箇所。
食道を切除するために右の脇の下に約30cm、頸のリンパ節を切除して残った食道と持ち上げた胃を吻合するために首に襟巻き状に約15cm、腹部のリンパ節を切除して、持ち上げる胃を準備するためにみぞおちからヘソに向けて約25cmです。
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術後の生活で注意を必要とする3つの問題
食道がんの手術では、胸を開き、食道の代用に胃を用います。
開胸によって1つ、食道の代用に胃を用いることで2つの問題が生じます。
食道がんの手術による入院期間は、2~5週間程度とされていますが、退院後も注意しなくてはならない問題です。
1.呼吸循環器系への負担。
開胸による問題です。術後は肺活量が3割ほど減少すると言われています。
また、胸骨の後ろに代用食道を通した場合、術後に不整脈が出ることもあります。
術後に思うように運動できないことがあります。
焦らずにリハビリを続けるようにしましょう。
2.食道を切除し、胃を代用食道にすることによって、食物の通過が早くなり、手術後6~12ヶ月は術前の50~70%しか栄養を摂取できなくなります。
食事時間が長くなったり、術後ダンピング症候群に悩まされることが多くなります。
体重が平均して5~10kgほど減少します。
食事をゆっくりと少量ずつ回数を増やしてとることが大切です。
3.食道と胃の境界にある逆流防止機能である噴門が手術でなくなるため、逆流症状が見られます。
術後は、胸部に持ち上げた胃の中から喉に向かって食べたものや胃液、時には胆汁が逆流しやすくなります。
立っている時にはほとんど問題は生じませんが、横になると逆流が起こりやすくなります。
食後にすぐに横にならないようにしましょう。
また、寝る時には上半身を高くして休むといった対応が必要になります。
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